平成20年度第3回情報交換会 |
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■日時 平成20年12月5日(金)
■場所 くらしき健康福祉プラザ201研修室 ■参加者 企業3名、ハローワーク3名、職業センター1名、通所施設(地活V)12名、支援センター3名、養護学校3名、社会福祉協議会1名、保健所1名、障害福祉課2名、福祉事務所1名、就業・生活支援センター7名 計37名 |
![]() 企業の方に障害者雇用の現状について、参加者から質問を受ける形で進行しました。 ●栄光プラント 代表取締役 時國 敦範 氏 従業員55名程度の鉄工所で、デスク、農業機械、自動車部品等を扱う。障害者雇用の内訳は知的障害者5名、精神障害者1名、身体障害者1名(委託訓練中 知的2名、身体1名)。業務内容はプレス加工、パイプベンダー、溶接など。 ●仁科百貨店 人事担当 津神ひとみ 氏 創業108年目をむかえる老舗スーパー。障害者雇用の内訳は身体障害者15名、知的障害者13名、精神障害者3名、来春採用予定2名。業務内容は身体障害者については健常者と同じ内容、知的障害者については製造やコンテナ洗浄など、精神障害者については1日2時間程度のオープン前の商品の陳列などを行っている。 ●丸五ゴム工業 次長 貝吹 浩昭 氏 車の部品のうち特にゴム製品(エンジンのホース、クッションなど)を扱う会社。三菱やダイハツなどの自動車メーカーに商品を卸す。障害者雇用の内訳は知的障害者5名、精神障害者1名、身体障害者1名。身体障害者の場合は健常者と同じ仕事をこなし、知的障害者や精神障害者は本人に合った仕事(覚えやすい繰り返し作業など)を行っている。 Q 障害者を雇用する中で何かトラブルはありませんでしたか? 栄:製品の表と裏など細かい見分けがつかない場合に不良品の原因となるケースや、性格が合わなかったのか障害者同士のケンカなどがありました。 ニ:知的障害者が接客にあたった時にお客様から心無い事を言われ、本人が傷ついて辞めてしまうことがありました。 丸:教えた仕事を次の日に忘れてしまっていること、わがままな性格のため職場で孤立してしまうことなどがありました。 Q 企業が求めるのはどのような人ですか? 栄:笑顔できちんと挨拶ができる、休むときには「休みます」と言える、これは障害者、健常者に関係ありません。むしろ健常者の方が社会的常識がないと感じることが多いですね。 ニ:「ホウ(報告)、レン(連絡)、ソウ(相談)」ができる人です。 丸:一般的な社会常識がある方なら。特に技術的なことを求めることはありません。 Q 障害の特性に配慮している点はありますか? 栄:精神障害の方には、例えば労働時間を短くするなどの配慮をしています。あまり3障害というのは意識しておらず、「あれがいや、これがいや」というのではなく、どんな仕事も「はい。喜んで。」という気持ちを持っていれば3障害というよりも健常者、障害者にもあまりこだわりません。 ニ:知的障害の方には子どもに対するように接してあげてくださいと従業員に言っています。精神障害の方の場合、昨日調子が良くても、今日は元気が無かったりするので、対応に苦労することもあります。 |
Q 障害者を雇用する上であればいいと思う制度や仕組みはありますか?
栄:障害者雇用を系列の別会社で行うなど、上手にやっている企業もありますが、そのような情報に疎いので。例えば5人の障害者のグループを1つのチームにして企業で雇い、これに対して助成制度などがあれば、企業側が受け入れやすいと思います。 ニ:就労時間が足りない障害者の受入を0.5人とカウントしてくれると、障害者雇用率を達成しやすいですね。特定の企業だけでなく、全ての企業がそれなりに受け入れるようになれば良いと思います。 丸:トライアル雇用は企業にとっても本人にとっても有効な制度です。これを拡大してくれると企業側も考えやすいのでは。 Q 各社の障害者雇用について将来展望を教えてください。 栄:景気が悪くなっているので、健常者、障害者に関係なく厳しい状況です。もう、神頼みですね(笑) ニ:経営は厳しいです。やりがいを感じてもらえる職場づくりをしたいと思います。 丸:自動車業界は特に厳しいので。景気が上向いてくれることを望んでますね。 Q 通勤が困難と言う理由で、就労を断念したケースがありますか? 栄:3つの工場を選択してもらっています。本人の気持ち次第というところもあると思います。 ニ:うちは自力通勤ができることが条件になりますので、自力通勤できない場合はお断りすることもありました。 丸:通勤が問題で退職するなどのケースは今まではありませんでした。 Q 就労系の通所施設や養護学校に対して、このように育てて欲しいと言う点はありますか? 栄:とにかくハートを大切にして欲しい。やはり挨拶は重要です。勝手にいなくなってしまったりすると、こちらも対応できません。 ニ:「半分に切ってください」といったときの半分が理解できたり、300グラム、20個など数の認識ができると、ありがたいです。そのほかにも、明るくて会社のムードメーカーになれる人、無口でもこつこつと仕事に集中できる人などですね。 丸:製造業なので手先が器用で、同じ仕事でも辛抱強くできる人ですね。社会的な常識さえあれば、特別な技術はむしろ、会社に入ってから教えていきますので。 Q どの程度の給料を支払っていますか? 栄:本人の仕事能力によっていろいろです。最低賃金の方も適用除外の方もいます。 ニ:うちは最低が時給730円で、本人の仕事ぶりにより時給が上がっていきます。状況を見て月給制に移行することもあります。これは、障害者、健常者に関係ありません。 丸:時給860円からスタートし、本人の仕事能力に応じて金額は上昇します。 Q 何か問題が起きたときはどのように対処していますか? 栄,ニ,丸:就業・生活支援センターの人を良く知っているので、いつも相談しています。 |
![]() 企業の方を囲んで、障害者雇用の現状や課題など更に突っ込んだ話題を熱く話し合いました。 |