テーブルまび2015年度 第8回ミーティング |
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テーブルまび2015年度 第8回ミーティング
■ 日時:2015年11月1日(日)13:00〜15:00 ■ 場所:Beerまび ■ 参加者:当事者A、一般の人G、当事者E、当事者x、当事者v、リーダー、当事者u、当事者J(敬称略) ―近況報告と自己紹介の後、多くの貴重なお話が出た後― リーダー:僕、今日皆さんに、聞いてみたいことがあるんです。実はこの間NHKの「バリバラ」が取材に来て、その時のテーマが、「就労」なんですよ。つまり、その、精神障害というものを、生きづらさを抱えた人にとっての「就労」ということをバリバラがテーマにして取材して帰って、ビアホールで働く当事者Hさんのことをカメラで追っかけてくれたんですが、僕、これをどう考えたらえんじゃろうと、それぞれの人の意見を聴かせていただきたいんです。答えは一つじゃないと思うんですけど、たとえば、さっき当事者EさんがB型行かれながら、暮らしのリズム、生活にリズムを作るために・・・、「規則正しい生活が必要なんじゃ」とおっしゃってくださった。そういう考え方もあると思うし、仕事とか就労ってことを、皆さんはどういうお考えなんかなあということを、今日は教えてください。 当事者E:ベルトコンベアー的なことも仕事ですし、車のセールスみたいなことも仕事、肉体労働やパソコン、いろいろな業種があると思うんですが、やっぱり自分に合ったものに就いているとストレスになってないんですが、そういうストレスに負ける人というのは、自分に合ってない、不本意な仕事、そういうことが病気にもなりやすいし、疲れやすいと思うんですが、世の中、自分に合った仕事に就いている人はほとんどいないと思うんです。だから、どこら辺で妥協点を見つけるかいうのが大切で、僕なんかは若い頃、歌を創ってデビューするのが夢で、一生懸命やってました。プロの歌手になれば、それが仕事ですからね。でも、現実は、そうもいかなくて、生活費を稼ぐためにのために別の仕事してましたが、やってるとそれなりに面白さも出てきて、それはそれで良かったです。でも、しんどくなって、体がついて行かなくなると、すぐに復帰はできないんですよね。そういうところで、あきらめてしまうような。簡単にできそうな所に取り付こうとしてもそれすらできなくなってしまって、そのまま、社会復帰と言われるような会社勤めができなくなって・・・、いうのが最近の気持ちですね。 だから、このマインドで、講演会いう形で発表させてもらった時に、リーダーさんが「みなさん良い仕事されましたね。」って言われて、自分の体験を発表するのも仕事と認めてくれる場があって、生きがいを感じて、次には、あきらめていたことも、もう一回ゼロからスタートしてみようかというきっかけになるんです。さっきのようにみんなに受け入れられて、喜んでもらえるという体験をしたら、自分にも力になるし、相手にも喜んでもらえるんですよ。だから、すごい良い活動内容だと思います。それでまた、まびの道に戻っても、単純なんだけど耐えていける力をつける、と段々なんだけど、変わってきました。 リーダー:当事者xさんなんか、来られてすぐなんですが、どういう風に考えられます?何か思われるところがあったら、教えてください。 当事者x:僕は、僕の欠点でもあるんですが、人と比べるところがあるんですよね。僕は病気を持ってます。でも、健常者と同じとか、健常者に負けんようにと、若いころは思ってました。だけど、年が行くとともに、タバコの吸いすぎなんか、年なんか、薬の関係なんかわからんけど、しんどくて、しんどくて、たまらんで、出来なくなりまして、まあ今、葡萄の仕事を止めようか、作業所一本にしようか、でも、葡萄を作ったら喜んでくださる人も居るし、人から喜んで貰えるということは、すげえ嬉しいことじゃけえ、もったいないと思うたり、まあ、とにかく僕の悪い癖で、人と比べてしもうて・・・。(みじめというか?)負けとうねえ…というか。 当事者A:自分がしんどうなるしねえ。それで、結局、自分が損するんよ。 当事者x:先生に聞いたら、人の良い所と自分の悪いところを比べるけえ、絶対自分が負けると言われて・・・。それもそうじゃなあ思うて・・・。人と・・完全にゃぁ抜けきらんのんですけど、なるべく人とあんまり比べんようにして、自分のできることをやっていけたらいいなあと、できる範囲でできることをやって行こうとは思ってますけど・・・。 当事者A:僕もすぐ比較しちゃうんよ。たとえば、当事者Eさんみたいにギター弾けたらいいなあとか、絵が描ける人みると絵が描けて良いなあとか、作業所の「菩提樹」行ってた時も、最初は、ちやほやしてくれるからエエんじゃけど、初めは我慢してるけど、だんだん我慢できなくなって、プライドが高かったから、「もー止めた。」と。まびの道でも、途中でも日報もつけずに帰ったことあったなあ。 当事者E:あったなあ。 当事者A:歯車があるんよ。歯車が合うときは良いけど、合わんようになったら、どうしようもないんよ。 当事者E:当事者Aさんは、作業はしっかりされるんですよ。無駄口もきかれんし、仕事は出来るんですが(器用ですしねえ。)、人との関わりでねえ。 当事者A:人と同じことができんのよ。小さい時から、人と一緒にできんのんよう、で、あの人ええこと言うたなあ、それに引き換え、自分はアホなことばあ言うて・・・。で、作業所でも、もう休もうかあ・・・。で、時々一般の人Gさんが電話してくれて、迎えに来てくれたりしたら、行こうかなあ・・・いうて、行くんじゃけど、夏はそうしょうたけど、これからは、顔だけは出そうと思う。それは、達成しようと思う。ここはちゃんと地固めができてるから、無茶しょうとも思わんし、無茶されることもないし、安気なとこじゃなあと僕は思うとる。これは、どこのNPOにもないことじゃと思う。 リーダー:当事者uさんなんか、何か思われることない? 当事者u:僕はやっぱり、作業所にあんまり行かなくなってるけど、でも、マインドとどこかで話ができるところがあったらいいなって思っていて、テーブルまびに参加してるんですが、就職ってことになると・・・、自分はやっぱり、自分のためにもなるし、親に恩返しにもなると思うんですが、うまくいかなくて、A型とかも、辛くて、辞めてきてしまったんですが・・・、マインドに来て、「働かなきゃ。」というのも無くなってきたけど、でも、お金は減る一方だし、どこかで、働かなきゃいけないかなあと思いながら生活はしてるんですが、でも、やっぱり、あの健常者って言われる方のことを、僕、定形発達って言うてるんですが、その人のことを考えると、「仕事を選んでる場合じゃないが。」って、言われたんですが、仕事は、やっぱり、合わなきゃ続かない、いうのはありますから、どうやって合う仕事を探していくかっていう・・・、ハローワークに行って・・・。 リーダー:今の皆さんの話を聞いてたら、自分に合った仕事に出会えたらいいけど、合わない仕事を生きづらさを抱えながらするというのは、厳しいと・・・。でも、その中でも当事者xさんなんか今までは「負けるもんか。」と頑張ってこられたけど、だんだん年も取っていく中で、もうこのやり方じゃあ持たんかなあと・・・、心の岐路にさしかかっておられる。マインドに来て、暮らしを成り立たせるための、お金を稼ぐための働き方だけじゃなくて、誰かのためになることをその人の役割としてやることが・・・、一つは、マインドが自分たちの生きづらさというものを隠さずみんなに伝えていくことによって、地域の理解が上がって、引き籠ってる人たちへの目線が楽になることが、僕らの役割じゃないかと、これを仕事として、僕らやっていくことに、意味があるんじゃないかということかなって思いました。 当事者v:さっき、当事者Eさんが言われたんじゃけど、流れ作業で出来る仕事? 僕、できるなら、数をこなしてやっていこうと思ってましたけど、やっぱり、その、障害者の作業所の仕事ってのに、そういう枠に、自分の存在がはまらんかったんですよ。作業所の仕事、無理矢理やりがいを見つけようとしたけど、やっぱ、違うんかなあと・・・、生きるいうことに、学生時代によく言われとったのが、「哲学者みたいやなあ・・・。」って、それが生かせる仕事って、学生時代は選べたんですねえ。病気になる前は・・・。編集者とか、銀行とか・・・。クローズとかオープンとか、自分の生きづらさが連なって、罹ってきたから、普通の人みたいに、軽やかに仕事ができるわけじゃないので、ほんまに、難しかって、マインド来て、こんな楽で、えんかなって正直思ったけど・・・。 当事者u:最初来た時のマインドの、ゆっくりしたペースってのは、びっくりしました。(ほんとに、こんな楽でいいんだろうかって・・・。) 当事者A:今来たけえ、良かったんよ。(昔はってこと?)うん、前は、みんなしんどい言いようた。やっぱりねえ、ここリーダーさんの存在が大きいんよ。引っ張ってくれるけえええんじゃけど、このリーダーさんは、ほっといたら、何をするかわからんのんよ(大笑)。ほんで、M病院の院長が言うんよ。「リーダーさんについて行こうとしたらしんどいでしょう。」って。でも、やっとることは、間違い無いと思うんよ。(そうですねえ。)で、一人ひとりを大切にしてくれるけえ。タバコを吸ようた時に、「Aさん、おめえ今日何をしょうたんなあ・・・。」言うて、ポロっと言うてくれる。それがありがたいんよう。恩人の当事者Iさんも「元気しょうん。」いうて気にしてくれる。ありがたいなあ思うて・・・。 当事者v:気持ちに沿ってくれるところが、やっぱり、こういうねえ。僕らと、ねえ。普通の仕事してる健常者だったら、競争があったりとか、蹴落としたりとか・・・、そういうのには、僕らあ、向かんのですよ。僕はね。ぼくはそんなんじゃなくて・・・ 当事者A:前、菩提樹に居ったとき、出来る人と出来ん人の差が激しゅうて・・・、そこは作業所じゃったけえ、お金を持って帰らんといけん人が居ったのよ。で、その人は、出来るから、ドッド、ドッドするわけよ。怖くなってきたのは、ご飯食べる時間でも、仕事して、そして、でも、1万円ぐらいにしかならんのよ。当然その人は、それじゃあ生活できんから、年金貰ようたかもしれんけど・・・、そういう人もおられたけえ、そこの作業所も仕事がない時にもお金払わんといけんから、金光様の掃除に行ったりして、それはもっとものことなんじゃけど、僕、こんな体じゃけえ、しんどいがあ、で、人の目が気になって、「あいつ、またさぼりょうるなあ。」と思われとんじゃないかと、だんだん行き辛うなった。まびの道はどうして行かれんようになったかいうと、引越して1週間休んだんよ。その間に堕落して、攻撃性が強くなって、それで行けれなくなったんよ。 当事者E:当事者Aさんが来られなくなって、所長さんに「Aさんに会うことある?何時でも、来るだけでもいいから、顔だけでも見せてって伝えて。」って言われて。作業所でも、弁当作りで配達までして、ひと月10万円程稼げるとこもある。見学させてもらって。出来ない人は、給料は少ないけど、出来る仕事を選ぶこともできるという話でした。(すごいなあ。) 当事者v:リーダーさん、例えばね、僕、学校で経済の勉強したんだけど、社会の中でお金が回る仕組みみたいなの、流れとかをかじったんですが、今回NPOに来さして貰うた時に、ふつう考えたら、世話人さんにお金払わなきゃいけないいう意識とかあるんですが、そこに、市とか国とかが入って、それが、病気を持ってるという証明があれば、そういうお金が下りてくるとか、そういう風な、普通の人の感覚では、そこまで考えが行かずに、ただ仕事毎日やって、お金貰って、好きなもの買って、というお金の流れがあるけど、NPO法人のマインドのとこもこうやってゆったりできるいうのは、グループホーム事業っていうので、補助金という形で、それを回して、世話人さんにお給料として渡すとか、そういうことですよねえ。 リーダー:そうです。今、マインドは、17名の方が真備町の中で、いろんなとこでグループホームとして暮らしてはります。その人たちを世話人さんたちがちょっと行ってお手伝いさせていただく、支援をするということで、グループホームに補助金が下りてくるんです。その人のしんどさに応じて、なんですが、これがあるから、僕らは、こんなことが出来とるいうか、経済の話でいうと、世話人さんにも、ちゃんとお給料が払えているから、マインド、こうして、支えあいの一つの基盤にもなってる。 当事者v:その社会の、お金の回る仕組みを、何年先になるか、わからんけど、勉強してみたい。 リーダー:うちの強みは、皆さんがただの利用者さんでないというところです。みんなが社員やから、協力してくれるいうことなんですよ。うちは、みんなで、「僕らも応援するよ」って応援してくださるし、支援に行く側の人間も、「僕らも到らんけど、一生懸命させてもらうけえ、よろしゅうお願いします」というような一緒にやっとる感があるんよなあ。だから、それによってマインドは余分な力を外に向けることが出来とるような気がします。これが、僕らのNPOの宝物じゃなあと僕は思うとんじゃけど。 ―さらに、身を削りながら合わない仕事をするのはどうかとか、人に「ありがとう」が貰える仕事は自信になる、事業者に薬の作用についての知識や理解がもっとあれば働ける、と話は白熱していきました。― |